国鉄113系・京阪神快速編成
大阪鉄道管理局・高槻電車区の113系電車の12連が竣工しました。
もともと113系電車には興味はなかったのですが、いざ消えてゆくとなると急に寂しくなりました。
関西に住んでいたころ見かけた’80年代のまだサロが編成されていたころの113系を模型化しました。
いろいろ調べると113系も製造された時期により変化があり、どうせなら全種類を一編成に混ぜるとおもしろいかなと思いました。
(ほんとうのところは前作モハ62系を作成して、正調113を組みたくなったのが理由です)
東京口の113系は製造年代も比較的揃えられた美しい編成であったと思いますが、関西は結構凸凹編成的なものになっていたようです。
旧型国電的なものを想像していましたが、完成すると塗色のせいかけっこう統一感があります。
12連は基本編成のサロ入り8連と付属4連をKSモデルのキット利用で作成しました。
運転会などに持ち込んだとき、113系はTOMIX製品も普及しており平凡な車輌に見えがちであるため、できるだけTOMIXのラインアップにないタイプを選んでおります。
また東京口の113系とのちがいを強調するためサロ110はステンレス試作車の900番台を選びました。
コルゲートの美しいステンレス車をわざわざ湘南色に塗装したため無骨な印象の車輌でいまいち好きではないのですが、目立つこと(よく見ないとわかりませんが)を考えました。
上りのクハ111−153とクハ111−256です。
大目玉・グロベンはクハ111登場時以来のカオですので、ぜひ上りの先頭に立たせたかった車輌です。
右のクハはいわゆる0’番代です。
基本編成8連の先頭に入れますので、12連編成では中間車となりますが、ディテールは手を抜かないようにしました。
特にパノラミックウィンドウはポリカーボネート透明板を弾力を利用してハメコミにしてあります。
関西車の特徴として発炎筒の車体色塗装、ジャンパーケーブルはなぜか二本?としました。
乗務員テスリの上下端が角が出ているところは0.3真鍮線を削りましたがなかなか再現はむつかしいですね。
下りのクハ111−484、2009、766です。
上りのクハ2輌に対し下りが3輌なのは編成にサロが1輌はいるため上りクハが1輌少なくなります。
484は大目玉ですが、ベンチレーターが押込みになったタイプです。このクハはサロと突き合わせるため先頭に出ません。
真ん中の2009はTOMIXからも製品化されている2000番代なので当初作成するつもりはなかったのですが、関西における全タイプ揃えるということで作成しました。
この2009も付属の4両編成の下りクハになりますので中間車です。
一番右のクハは本来、湖西線専用に作成された115系なみの耐寒耐雪仕様の700番代です。
通常は同じく700番代のモハと編成を組んでいるのですが、当時吹田工場の検査が編成単位でなかったらしい?ために暖地タイプの編成に臨時的に入れられることがあったようです。
編成としてはヘンなのですが、関東にはいなかった700番代ということで下りの先頭車にして高槻電車区らしさを強調しております。。
このあたりの考証は、113系の実物写真を数多く集められた113系のページの管理人さんの桃次郎さんと相談させていただき到達したものです。
結果としてクハ111は形態的に5輌ともすべて異なるものになりました。
モハユニットは12連なので3ユニットあります。
この3ユニットを3タイプにしました。
左から0番代の43、0’番代の324、2000番代の2013です。
0番代はフューズが床下にあるため屋根上には避雷器だけです。配管類も旧型国電と大差ありません。
今回はじめてパンタ鉤はずしリンクを付けてみました。
次に中央のモハは0’番代で屋根上にヒューズが上がったたため母線側は配管が2本に増えています。
さらに2000番代になると空気作用管の出現のしかたが大幅に変更されています。
母線系は3本になり、作用管がパンタ鉤はずしリンクをまたぐような立体的なことになっております。
フクシマのパンタはカッコいいですね。
このあたりの情報についてはKaiji Lineさん、ゴイハー鉄道さん(113系研究室は秀逸でしたがすでにURLが不明になってしまいました)にお世話になりました。
サロ110−902です。
(サロを自然光で撮影するのを忘れていましたので暫定的にこの写真を掲出します。サロマニア帝国さま別途差し替えますのでお待ちください。)
当編成のメダマというか113系としてもサロとしても変形車の代表だと思います。
私は実車を撮影したことはありませんでしたが見た記憶はありました。
当時はまだ実車知識も少なかったのですが、それでも国鉄車輌初のステンレスカーというエポックメイキングな車輌がなんで関西にいるのかと思った覚えがあります。
901でなく902を選択したのは、どうも902のほうが冷房化された普通車の編成に組み込まれていることが多いように感じられたためです。
昨年の2008年、TMSコンペに出品したところなんとか、準佳作に選んでもらえました。
今回、113系に関しては知識がほとんどなかったのですが、ガイドブック最盛期の国鉄車輌3が非常に参考になりました。
また113系の図面をご提供いただいた村松さん、西湘車輌さんには感謝したします。
また塗装のことや新性能電車のこまごまとした実装関係については113系のページの桃次郎さんやサロマニア帝国のSATOKAWAさんのアドバイスが参考になりました。
また実物写真として旅客機と国鉄車輌画像のページ、かけやま写真館も大変参考にさせていただきました。
みなさん、ありがとうございました。
そして湘南鉄道模型クラブの皆様、付属4連と基本8連へ走行中編成分離し申し訳ありませんでした。
’09/01/12
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