いさみやロコワークス・ペーパーキット
オハ50系製作記録(4)

5.ディテールパーツ作業(続き)
リンク先のSpeedbirdさんの頁を参考にいつも見ていたのですが、50系など新系列客車のホロ吊りは旧型国電や旧型客車のものと形状が異なることに気付きました。
これはTOMIXの50系客車製品では、ここまで表現されていないようです。
特にホロ吊りのバネが入っている筒の部分が旧型の物に比べ短いことと、幌をつっている棒が妙に長く細く見えます。
なんだかヘナヘナしたハリガネという状態に感じました。
市販パーツですと「工房ひろ」が製品化しているようですが店頭で姿を見ません。
しかたないので自作することにしました。
さすがに完全に新型ホロ吊りの形状を再現するのは厳しいので、簡略化して作成しました。

エコーの細密パイプ外径1.0内径0.8を長さ2mmに切断し、0.3の真鍮線を通しました。
車体側のホロ吊り金具はFUJIモデルの屋上配管留めを利用し、本来屋上の高圧母線が通る穴に0.3mm線を通し折り返します。
折り返した線は2.5mm程度で切断しておき、この折り返した線を束ねても0.3mm×2ですので、先の細密パイプの0.8mm穴へ納めることができます。
細密パイプが抜け落ちないようにハンダ付けしました。(なんと今年はじめてのハンダ付けになりました)
エンドウの50系用ホロはホワイトメタルパーツでホロワクの両側のホロ吊り間接部分の出っぱりが厚いことから、これに0.4mmの穴を開けます。
この穴にホロ吊りの0.3mm線を通します。
というわけで、雰囲気重視のホロ吊りなのですが、なんと可動式です(意味ねー)

オハフに取り付けてみました。ちょっと左のホロツリが曲がっていますけど、このくらいなら修正可能でしょう。
完全に自己満足の世界ですが、ここだけはTOMIXオーナーに自慢できるかな〜。
客車列車では緩急車が最後尾になるのでオハフの妻面はゴテゴテパーツを付けたいところですが、もともと客車は国電に比べて旧型車でもすっきりしております。
オハフ50で取り付けることができそうなものは全部付けてしまいましたが、新型はすっきりしてますね。
車体には取り付けるものがないので床下作業に移りましょう。
20090412
オハにも取り付けました。まだ長さ調整していません。
しかしホロ吊りがぶらぶらしていると、塗装のときじゃまになりそうです。
せっかくの可動式ですが瞬着などでホロ吊りが動かないようにしなければいけませんね。
またオハは貫通路さん板はわざと開いた状態を表現したかったのでフクシマの網目板から切り出したものを貼り付けました。

6.床下
やっと床下の作業です。

床板はキット添付の木製床板を使用することにしたのですが、木目がそのままでもよかったのですがサフェで仕上げました。
車体アングルにあけた6コのネジ穴と床板の穴がぴったりあわず、位置調整に時間がかかりました。
写真は表面仕上げがおわり台車センターピン穴もあけた状態のものです。
ボルスターとセンターピンねじは、いさみやで売っているものです。
0.5mmの紙を1mm幅に切断したものを貼り付けて台枠の中央梁の表現のつもりです。しかしこれ以上の表現はしない予定です。
両端のオハフのみkadeeで中間は固定連結化しようと考えKTMのACEカプラーを取り付けてみました。

台車がついたので、やっとこういう写真が撮れるようになりました。
20090419
ACEカプラーは床板上面からネジとめするのでネジ頭が床板に埋まるよう穴をさらっておきました。


オハ50の床下機器です。
既成パーツはバッテリーとエアタンクくらいしかなく、他のハコは自作することにしました。
自作といっても木材を適当にハコの大きさにして、表面に例のPLUSフィルムラベル用紙を貼っただけです。

オハフ50の床下です。
オハに比べ水タンクがあります。
また謎の配管のついた謎のハコがあり、目立つので自作です。
これら以外にトイレ流し管があるのですが、かなり配管を曲げて取り付けられているので、表現方法を検討中です。
20090426
拡大するほどではないですが・・・・。
ホワイトメタルのバッテリーの背には凹みが見えないようにPLUSフィルムラベル用紙を貼っときました。

しかし国電などであれば、機器の名称や目的もある程度わかるのですが、客車はよくわかりません。
余計なものを付けてしまったのか不足しているのか見当がつかないですねー。

20090503
ゴールデンウィークとなったのですが、なんの予定もありませんので車端にあるステップを作成しました。
図面もないので写真から割り出して帯板でテキトーに作成しました。
オハフとオハで形状が違っております。しかし一部のオハフではオハと同じ形状であったりします。
並べるとカタチがそろっておりませんですねー。


オハフ50の端面にホース類を取り付けてみました。
両サイドステップのすぐ内側にはEG用のKE85ジャンパ栓とジャンパケーブルがあります。
国電でいうところの両栓設置になっていると思われます。
そしてエアホースが3本あります。

問題はSGホースです。電車や気動車にはない装備でしたので私はよくわかりませんでした。
そこで、いろいろ実物写真を観察した結果、福知山線の場合で考えると、どうも大阪側にしかないようです。
なので高価な工房ひろのSGホースは一本だけオハフ大阪側端につけました。
当然オハは省略です。(ACEカプラーを装着するので付きません)
オハフの福知山側はSG管だけを表現し0.5mmパイプを連結器胴受けの下に設置しました。

私は、よく知らなかったのですがSGホースはエアホースの場合と車輌連結時の接続のしかたが異なるようです。
エアホースを接続する場合、先端の関節のような部分を対向のホースのそれと90度の関係で重ねそのまま下ろすと接続できます。簡単です。
そして両車のホース根元のコックを開くわけですが、関節のような部分にOリングがはいっておりエアは漏れません。
連結開放時は、ぶら下がっておるホース関節部分をそのまま上に持ち上げます。
すると関節部分が両者90度の関係になりますと簡単に外れます。
このとき根元コックを締め切ってもホース内の残圧で勢いよく外れることがあるのでケガをしないよう注意が必要です。
開放したエアホースは接続部分を保護する意味もあり、車体から鎖で吊ってある金具をはめてブラブラしないようにしておきます。
模型のロスとワックスパーツではこの鎖は省略しておりますが、吊り金具は表現されていますね。

さてSGホースはエアホースのように関節がありますが、この部分では外れません。関節はホースがねじれないようにするためのものでした。
SGホースは連結器胴受け下付近にあるSG管に接続されており、もう一端は連結器胴受け下付近の金具に引っかけてあります。
連結時SGホースをこの金具からはずしてジャンパーケーブルのように対向の客車の連結器胴受け下付近にあるSG管に接続します。
SGは高温の蒸気が通りますので、作業中は蒸気が出てきて火傷しないよう締め切りハンドルで操作しておく必要がありますが、そのハンドルは客車側面床下にあるようです。
というわけでSGホースはジャンパーケーブルのように客車の場合、上り側だけとか、片方にしかついていないようです。
運用によって方向が変化してしまうことのある機関車にはSGホースを両端に用意したりするようです。
このためDD51やDE10などのデッキてすりにはSGホース掛けが設置されているようです。
あと自連の下作用の解放テコ操作のコツと手旗の使い方を知っていれば、これで客車の連解作業ができると思います。

機関車から供給される蒸気は客車編成を貫通し最後尾のSG管から放出されているようです。
したがって冬場の客レは最後尾から湯気が出ているのですが、SGホース装着側か非装着側で湯気の出方が少し異なることになりますね。
しかしSGというのは蒸機時代の暖房設備が無煙化後も大量の客車に生き残ってしまったということになると思います。
このため電機やディーゼル機にSGをずっと用意していたというのは客観的に考えると妙なハナシだと思いました。
そしてそれが最新型の50系客車にも受け継がれたというのは、50系客車の設計にも蒸気機関車の記憶が残っていると言うことでしょうか。


オハにもジャンパ栓とケーブルを設置しました。
中間車となるオハにはKTMのエースカプラーを使用しますので連結器胴受け以下省略です。
なおジャンパ栓の背後からステップ横の謎の小さなハコへケーブルが接続されておりますのでこれを表現しました。
ハコは紙で自作です!?本当はさらにこのハコから二本ケーブルが出てくるのですが台車と干渉するので省略しました。


床下を塗装してしまっていますが、トイレ流し管です。
エコーの新型タイプを使用しましたが管を大きく曲げる必要がありました。
いつもの真鍮車体の場合ですと真鍮パイプなどを駆使するのですがペーパー車輌ということもありホワイトメタルパーツの流し管を曲げて、爪楊枝を継ぎ足し適当に瞬着で固めてみました。
爪楊枝とイモ付けは強度的に問題あるので中に真鍮線を貫通させてあります。
管部分の仕上げに少し難がありますが、「材料が何であれ塗ってしまえばわからないんですよ〜」という言葉を実感しました。

次へ