クモル23050製作(1)
飯田線・豊橋機関区(静トヨ)にいたクモル23です。
木造車鋼体化改造された切妻クモニ13から配給電車に改造されました。
確か1975年ころ、しなのマイクロからキットが発売され、この電車の存在を知りました。
当時は中学生だったので、こづかいでは買えず、また真鍮キットを組む技術も経験もありませんでした。
それから何年かして大学生のころ、梅田のマッハ模型でクモニ13のエッチング板を発見しました。
あまり売れない商品であったらしくタダ同然で譲ってもらいました。井川さん(弟)ありがとう。
そして何年か経ち、就職して会社にも慣れた1989年ころ、このエッチング板に手をつけました。
当時は飯田線のクモニ13にしようと思ったのですが、しなのマイクロのキットを思い出しクモル23に変更することにしたのでした。
エッチング板は、はじめてでしたが単純な形態なのである程度作業が進みました。
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荷物ドアのみ、しなのマイクロのパーツを利用しました。
正面の2枚窓は自作でした。
しかし、荷台妻板のくわしい資料がなく、ここで作業を止めているうちに、1989年末に東京へ転勤の命令を受けました。
翌年東京へ引越し、鉄道模型趣味は尼崎の実家に置いてきてしまいました。
そして仕事に熱中し、結婚し、子供が生まれ、住宅ローンを背負いはじめたりして15年が過ぎました。
その間、妻には内緒でしたがクモル23050のことは忘れませんでした。
一方この15年でインターネットの普及は目を見張るものがあり、1989年当時資料がなく頓挫しかけた荷台部分の詳細な情報が自宅PCから入手できるようになりました。
また、大学の先輩の「西湘車輌」・村松つとむ氏・USの師匠などのHPを眺めているうち、東京で模型を再開する気になりました。
実家のほうは1995年の阪神大震災で相当揺れたようですが幸い模型は無傷でした。
2003〜2004年にかけて何回か名神・東名を往復して、阪神高速鉄道は東京移転をしました。
製作進行が頓挫していた理由のひとつであった荷台妻板のドアの寸法をインターネットで見つけた写真から割出ししました。(村松さんにURLを教えてもらいました)
久々のイトノコ・ハンダ付け。15年まえのカンをとりもどしつつ、作業に熱中しました。
車体の大部分は薄いエッチングによる凹凸表現ですが、このドア部分は真鍮板3枚貼り重ねであるため、表現がドぎつくなりました。
着工から15年、やっと車体がしっかりしたものになりました。
しなのマイクロのキットでは確か荷台床板は木目になっていたと思いましたが、インターネットで見つけた写真からそれは違うことが判明しました。
荷台ドアの窓には保護棒が付きます。実物は6本あるのですが、私はこの大きさの窓に0.3線を6本並べる自信がなかったため、5本にしています。
ドア右に3つあるのはパンタからの高圧引き込み線の車体側の座です。
大阪にいたころ正面の窓部分は作成していましたが角のRが小さかったためもう一度作り直すことにしました。
Hゴムは真鍮板を張り重ねて表現しました。また窓下にある四角い空気抜きのふたを表現しました。
正面妻板に窓を固定しました。103などに比べるとかなりきつく傾斜している部分は3mmの帯板で窓部分を囲いそれにハンダつけしています。
正面妻を再度取り付けました。
またあまといもエッチングで表現されていましたが、かなり薄いのでピノチオの引抜き二段あまといを貼りつけました。
写真ではてすりやハコサボまでハンダつけしています。
正面あまといはFUJIの軽量客車用あまといを利用しました。
といっても、これはエッチング抜き落としパーツでしたのでかなり削って整形しています。
正面あまどいを付けて、ちょっと実物の雰囲気がでて嬉しくなりました。
天賞堂のテールライトパーツを付けましたが、後ろの写真と比べると明らかにオーバースケールです。
車体補強用のアングルです。しかし荷室部分にしか設置することができず、実際には床板固定用金具です。
車体の中央部分がすっぱりと無く、車長を通じたアングルもなく、本当に強度のない車体になりました。
荷台両側のあおり戸を作成します。ひとつ上の写真は珊瑚のエッチング筋目板なのですが、これから切り出しました。
あおり戸部分の長さよりエッチング筋目板の幅のほうが短かかったため、三分割することにしました。
普通のクモル・クルは無蓋貨車のような、あおり戸がつけてありますが、このクモル23050はあおり機能のない側壁に見えます。
そして実物写真をよく見るとこの’側壁’中央部分は何か外れるように見えます。しかもこの中央部分には2つの取手まであるではないですか。
実際にこの部分をはずした状態の写真はみたことがありませんが、必ずここは外れたに違いないと確信して、模型でも外せる構造にすることにしました。(単に材料の問題でもありますが)
少しピンボケですが、エッチング筋目板を裏表二枚張り合わせ、1mm帯板でタテ桟を表現しました。
取手もつけてみました。でも中央部分のタテ桟の間隔がなんかヘンです。取手も少し大きい?
荷台部分に取り付けてみました。
タテ桟の間隔も修正しました。またこの際、タテ桟にボルトの頭を0.3mm線を植込み表現しました。
また荷台面に小さな四角いでっぱりがあることを、村松さんに教えてもらい1×1の真鍮板をはんだつけしました。
でも正確に1×1を作成することは難しく、実際には形は揃いませんでした。
床板でこの電車の強度を持たせるため1mmの真鍮板から切り出しました。
これに床下機器を取り付けるスペーサーと中央の梁などを固定したところです。
60Wのハンダコテで作業しようとしたところ、全く歯が立ちません。100Wを買いました。
台車の日光DT10です。エコーの排障器を追加しています。
手前は動力台車なのですが、あえてインサイドギアを使用することにしました。
エコーのパーツで台車端梁が表現できるのですが、インサイドギアの枠にそれを表現しました。
これで正面から見たとき少しましに見えるでしょう。
日光の床下機器・エコーのジャンパ栓などを固定しました。
仮組みしました。
乗務員ステップは自作です。
この状態で少し完成した気になり、このままで半年ほど作業は停止しました。
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