京阪神・東海道本線113系快速作成記録・その6

2-3.車体ディテール作業
サロ110−900
サロ110のKSモデルのキットはもともと非冷房のオリジナルタイプと冷房化された晩年タイプの二種類があったようです。
今回そこらじゅう探しまくったあげく、岡山模型DANから通販で入手できたのは非冷房のオリジナルタイプでした。
したがいまして、冷房化改造をすることになります。
ところが残念なことに冷房化された状態の図面が添付されておらず、しかたなくサロ110の車輌竣工図からAU13やベンチレーターの位置を割り出さざるを得ませんでした。
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結果がこれです。
AU13はエンドウのAU13ENを、ベンチレーターもエンドウの東海型押込ベンチレーター(サイド用)を使用しました。
一番後ろ見えるトイレ・洗面所付近の押込ベンチレーターのみ冷改と関係なくオリジナルですのでKSパーツです。
AU13は中央寄りの4コがほぼ等間隔で両端のもののみそれぞれ少し離れて設置されています。
いずれにせよ、AU13もサイド押込ベンチレーターも、オリジナルのベンチレーター位置とはほとんど関連性のない場所に設置されており驚きました。

このエンドウAU13はダイキャストパーツでデキはそこそこよいのですが、パーティションラインがはっきり出ておりさらに金型がズレているようです。
結構修正が大変でした。


エコーの票差しを貼り付けました。
特に号車札を入れる票差しはコルゲート上に貼り付けられており、少し浮いた感じになっています。
上り側となる妻にはホロを付けませんので角線でホロ枠を作りました。
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こちらの妻板はさびしいので検査票付近にある小さな札いれを付けときました。

モハ112・113
113系電車は3タイプ作成することになりましたので、モハ112も当然3タイプになります。
事前にそれなりに研究したつもりでしたが、パンタまわりの配管・配線も三種類になることが判明しました。


写真は0番代です。シンプルで旧型国電と大差ありません。
手前側から高圧母線が一本。
中央は避雷器配線。これは妻板にすぐ入ってしまいます。
反対側に妻板に沿って空気作用管2本一対。


写真は0’番代(または700番代)
手前の高圧系配管が2本になることと屋根上にフューズが載るのが0番代との大きな違いです。
 手前側は高圧引通し線でフューズを経由します。なので0.5mmパイプに0.3mm線を出してフューズと接続しました。
 すぐ奥側に高圧母線がフューズを迂回するようになっています。
中央は避雷器配線。これは0番代と同じです。
空気作用管の作業はこれからです。

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写真は2000番代。まだフューズ箱を固定しただけです。
しかしこのフューズ箱の位置が少し車体中央よりになるのが0’番代とのちがいです。
またフューズ箱の手前に小さな箱があります。ここから空気作用管が出てきます。
2000番代では空気作用管は妻板をはわせることはなく、屋根上のハコから突然現れます。
そして避雷器配線やパンタ鉤ハズシリンクをまたいで従来の空気作用管設置位置あたりで直角の折れてパンタに接続されます。
このあたりの造作はKAIJILINEさんのmodeler's eye view 115系屋根やゴイハー鉄道の「お役に立てない参考写真」がとても参考になります。


空気作用管0’番代にも付けてみましたが・・・位置がちょっとずれています。車体中央から840mmです。
このあと剥ぎ取って穴を開けなおし位置を修正しました。
そういえば0番代もなんかゆがんでるなー。
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左から2000番代・0’番代・0番代です。
0’と2000の配管のちがい、わかりますでしょうか。
私もモハ112のパンタ周りをこれだけ観察することになるとは思いませんでした。
しかし写真にすると配管のゆがみ曲がりが目立つもんですね。修正しよ〜。

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0’の1輌だけですが、やっとパンタ鉤はずしリンクできました。
ピノチオに行って避雷器とパンタの間にあるリンク受けプーリーと妻板よりにある水平作用リンク、感電防止碍子までは入手できましたが、垂直作用リンクは入手できませんでした。

オーバースケール覚悟で垂直作用リンクは自作です。
0.5mm洋白帯板に0.3mm穴を1.5mm間隔であけたものを2つ用意します。
0.6mm角線に0.4mm穴を貫通させ、これに0,3mm線を通しこの角線をはさむように先の洋白帯板を90度位相をずらしてハンダつけしました。
したがってこの垂直作用リンクは可動です。あまり意味はありませんが・・・・。
しかしこの程度のオーバースケールに目をつむれば、鉤はずしリンクの全可動もできないことはなさそうです。
前パンの旧国クモハなどに応用できそうですが、ピンセットがなければパンタを上げることが出来ないというのもどうなんでしょうね・・・・・。

ピノチオRecomendationにもとずいてリンクロッドは0.2mm線を使用して張りました。
この作業に2週間近くかかったのは、実は悲しいことに視力の限界を超えていたのが原因でした。
限界超えた作業では集中力が続きませんね。まぁもともと集中力はないんですが・・・・。
しかたないので、あきらめてコドモの机にあった虫メガネを借りてきて作業しました〜。
模型工作寿命がもう残り少ないのかもしれません・・・・・とほほほ、ルーペ買うのかなぁ。


モハ112−2000番代は空気作用管が妻板ではなく屋根に突如出現し、パンタ鉤はずしリンクをまたぐように高い脚で固定されています。
その脚を0.8mm真鍮板から切り出し、上に筑波車輌工業の配管止めを付けました。
少しオーバースケールなのですが、これを使います。

左が2000代です。こんな、ややこしい配管していたんですね。初めて知りました

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モハ112が3タイプやっと配管できました〜
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屋上クーラーの両サイドにあるランボードを取り付けました。
変化に乏しいのですがエアコンはすべて三菱電機製のAU75BMに統一しました。というかエンドウのパーツはこれしかなかったので・・・。
さて、研究の結果AU75の取り付け位置は0番代・0’番代・2000番代で異なるようであります。
まず0番代グロベン車の冷改車は、AU75取り付け位置中心が車体下り方向に150mmほどずれております。
一方0’番代(700番台)車・0番代押込み車の冷改車は、AU75取り付け位置中心が車体上り方向に100mmずれております。
2000番代車になるとAU75取り付け位置中心は車体中心とのずれがないようです。
これに伴いランボードの位置もずれております。
写真ではわかりにくいかもしれませんが上から0番代の112・113、0’番台の112・113、2000番代の112・113となります。

つづき