談話室

(2001.2 ある体育大学生との会話)

2月下旬、白銀の美瑛の丘へ行ってきました。その宿で出会った同室の大学生との話を紹介したいと思います。
宿の夕食後、談話室には当日の宿泊者5名が勢ぞろいしていたが、8時半頃に3人がいなくなり、私たちだけ残った。そこから約3時間ほど会話が続いた。

彼は、初めての一人旅をしている、某体育大学(ほぼ特定されているじゃない)の1年生。最初は定番の旅行日数や予定を聞き、お勧めの教えあいから、話を切り出す。
まず、体育大学に入ったきっかけを聞くと、体育教師になるのが目的だったが、勉強するうちに栄養アドバイザーという仕事もあることを発見したそうだ。高校時代から人に栄養面のアドバイスをしていたそうで、女子生徒からダイエットの相談をされた時、どうしてダイエットしたいのと聞き返すと、ケーキの食べ放題に行きたいから。二人しておもわず「それじゃ、意味ないじゃん。」。「どうして女性ってそんなに甘いものをいっぺんに食べたいのかね。俺なんかケーキ1個で十分なのに。理解に苦しむよ。」と続けて意気投合。
で、なぜか話しは最近の少年犯罪に徐々に移った。結構、お互いに論じていたのだが、彼が口にしたのは、「最近の子供は背筋力が弱っているんですよ。だから、姿勢が悪く(猫背になる)なってくるんです。これが精神的にも悪影響を及ぼすんですよ。」と。意外なところに因果関係があるんですね。

 ここからは、お互いの人生話を。彼は、身長は私と同じくらいなので小柄であるが、陸上競技をやっていて、それも自分の大学のサークルではなく、他の大学のサークルで競技を楽しんでいるそうだ。理由は体育会系独特の伝統でスポーツを楽しめなくなるのが嫌だからとのこと。なかなか、しっかりとした考えをもっている。
 私も旅行会社のデータ入力の仕事などをしているが、好きなことが仕事になった面があるので、「好きなことが仕事になるほど幸せなことはないよ。ぜひ、これからも勉強してじっくり将来を考えたらどうかな。」とエールを送った。
 その続きで、これからは専門アドバイザーがあらゆる職種で重要な役割になるのではとの私の推測から、話しが進展。これは、インターネットなどで情報は氾濫しているものの、どれが自分にとってベストなのかは判断できない人が多い。そこで最後は信頼できる専門の人と、相談ということになってくる。
正直、私が勤める旅行業界も今の格安戦争はあとわずかで終結であろう。趣向をこらした旅行に最近人気が出ている。つまり、専門知識とアイデアが問われることになるし、販売側でも、単なる商品知識だけでなく、アドバイスがどれくらい出来るかも問われてくる。当然、アドバイスするためには経験も必要だろう。はっきり言うと裏方の私がこれだけ旅しているより、現場の人がもっと旅行に行かなきゃ。パンフレット地図の位置と地名を間違えるようなミスをするようでは・・・。(あえて、どこの会社のどのパンフレットとは言いません。)お客様の演出をするために自分達が経験を積んだ方がいいと思うんだけど。私の勤める会社は若手が多く、閑散時には長期休暇がとれやすいんです。余暇活動を演出する旅行業界などはこれから真価が問われると思いますよ。
彼が興味のある栄養アドバイザーも、ここ最近の健康志向で重要な役割になってくることでしょう。

でもね、彼が旅立ったあと、宿のスタッフと話していたのは、「彼、保父さんに向いているんじゃない。」その理由は、夕食時に宿にいる10ヶ月の赤ちゃんとうまく相手をしていたから。

(文:ねもちゃん)

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